厚生労働省医薬・生活衛生局 生活衛生・食品安全企画課
課長 須田 俊孝
森永ひ素ミルク中毒事件が発生してから、六四年の歳月が経過しようとしています。事件発生当時、乳児であった被害者の多くは、まもなく65歳を迎えられることとなります。
「守る会」は、「ひかり協会」とともに、被害者の方々の人生に寄り添い、恒久的な救済を目的とした救済事業の実施を通じ、被害者の方々とともに長い道のりを歩んでこられました。情報誌「ひかり」は、昭和44年に創刊され、このたび、平成の次の御代を迎えるタイミングで、記念すべき600号の発刊を迎えられました。これまでの関係者の方々のたゆまぬ御尽力に、深く敬意を表します。
まもなく65歳を迎える被害者の方々の中には、介護保険制度の対象となって以降も、従来の障害福祉サービスと同様の必要なサービスを引き続き受けられるのか、強い不安を抱えておられる方が多くいらっしゃいます。こうした状況に対応するため、厚生労働省では本年1月、省内の三局関係課の連名で、各都道府県の衛生主管部局、障害保健福祉主管部局及び介護保険主管部局あてに事務連絡を発出し、被害者の方々のおかれた現状やニーズを踏まえた救済への協力を各自治体に呼びかけたところです。
今後とも厚生労働省としては、昭和48年の「三者会談確認書」を踏まえ、守る会、ひかり協会、森永乳業と密接に連携し、都道府県や市町村に積極的な行政協力を要請し、救済事業が円滑に実施されるよう、尽力してまいります。関係者の皆様方におかれては、どうぞ引き続いての御協力をお願い申し上げます。
被害者や御家族の皆様のますますの御健勝と、恒久救済事業の今後の一層の推進を心よりお祈り申し上げ、お祝いのことばとさせていただきます。