2019新春対談

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2019新春対談(機関紙「ひかり」2019年1月号)  

対談者

○前野直道 さん

  (公益財団法人ひかり協会理事長 

○桑田正彦さん

(森永ひ素ミルク中毒の被害者を守る会理事長) 

 

 

桑田 明けましておめでとうございます。

 

前野さんはこれまで守る会の役員として私たちと同じ立場で歩んで来られましたが、協会の理事長になって気持ちの変化はありましたか。

 

 

前野 明けましておめでとうございます。

守る会と協会は別組織ですが、被害者の皆さんの救済に力を尽くすということにおいては完全に一致しているので、その点での気持ちは何も変わっていません。

ただ、三者(守る会、厚労省、森永)関係者や専門家の方々には、「ひかり協会を支えていただいて本当にありがとうございます」と感謝する気持ちがいっそう強くなりました。それと、救済事業の第一線で働いてくれている職員に対する責任を強く感じるようになりました。

理事長のかじ取りの間違いによって、被害者をはじめ関係者の皆様にご迷惑をかけることだけは絶対にしてはならないと考えております。

桑田 前野さんがひかり協会や被害者と関わるようになったのは、いつごろからですか。

前野 大学3年生になった4月のある日、サークルの先輩から「森永ひ素ミルク中毒事件の被害者の学習をみてるんだけど、手伝ってくれないか?」と誘われました。私は「実は僕もその事件の被害者なんですよ」と、偶然誘われたことに驚きながらも、すぐに引き受けました。

当時、ひかり協会が設立されて1年ほど経っていましたが、私はそのことを知りませんでした。先輩は秋葉英則先生(ひかり協会の教育福祉委員長、故人)の研究室で学んでいて、大阪事務所のひまわり学級の指導員として協力していたのでした。

こうして私は指導員として2年間過ごすなかで、重い障害をもっている仲間がたくさんいることを知り、被害者の会にも加わりました。しかし、当時はまだ、平松さん(守る会事務局長)や小畑さん(前理事長、故人)が活発に活動されているのをそばで見ているだけでした。

その後、大阪府で小学校の教員になり、忙しい日々が続き、年に一度大阪事務所のクリスマス会に顔を出すくらいでした。

「30歳代のあり方」の検討をしている頃に、守る会と被害者の会と協会で「三者懇」という形の会議がおこなわれており、そこでは親と被害者と職員がとてもいい雰囲気で話し合っていました。その心地よさに引き込まれて再び積極的に参加するようになりました。

一方的に要求を押し込んでいくだけの活動ではなく、お互いの言い分や立場を受け止めながら自分たちの意見も組み込んでいくという大人の活動スタイルを学ばせてもらいました。そのスタイルは今も大切にしているつもりです。

桑田 教員を辞めて常勤理事になられましたが、よく思い切りましたね。

前野 長年協会の運営を担って来られた守る会出身の大槻さん(元理事長、故人)や細川先生(元常務理事、故人)がご高齢になり、協会の運営を本格的に被害者本人が受け継がなければならない時期が近づいてきていました。

守る会役員の引継ぎに比べ、協会常勤理事の引継ぎが順調に進んでいないことも感じていました。本部事務局のある大阪に住んでいる自分がお役に立たなければいけないのではないかと考え、2004年に教員を辞めて常勤理事になりました。

常勤理事としての仕事をさせていただく一方で、守る会の仕事もたくさんさせてもらいました。今でも、事件50周年の年に、過去に功績のあった方々のインタビューに同行して『50年記念誌』にまとめたことや、全国の重症被害者の親御さんを訪ねて貴重なお話を聞かせていただき「機関紙ひかり」に掲載したことを思い出します。

障害のある被害者の方々の生活や人間としての尊厳を守るために、救済事業を続けていかなければならないと強く感じました。私の常勤理事活動の原点にこの体験があります。

これからも、その時の貴重な体験を生かして、ひかり協会理事長として救済事業を守っていく決意です。

桑田 守る会役員を退き相談役となられて、守る会を客観視できるようになったのではないかと思いますが、守る会へのエールをお願いします。

前野 私が守る会出身者だから言うのではないのですが、救済事業をめぐる歴史から見ても、ひかり協会の一番の協力者は守る会です。唯一の被害者団体としてしっかりした組織を維持させていらっしゃることは、ひかり協会にとって最も頼りになります。

都府県や全国の会議できちんと話し合って意見をまとめるという、地味だけれど結局は一番大事な活動をこれからも大切にしていただきたいと思います。そして、できれば、重要な役職にもっと女性が増えればさらに素晴らしい組織になるのではないでしょうか。

桑田 今日はありがとうございました。これからも守る会と協会は、二人三脚で救済事業に取り組んでいきましょう。

前野 ありがとうございました。今年もひかり協会へのお力添えよろしくお願いします。

 

 

  ひかり協会ホームページもご覧ください

    http://www.hikari-k.or.jp/

 

● 60周年記念冊子(還暦記念誌)500円で頒布中。お申し込みは、06-6371-5304(守る会 平松)まで。どなたにでもお分けします。

 

 

 

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